「赤ワインと白ワインには、どんな違いがあるの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、色が違うだけに見えがちな赤ワインと白ワインの違いについて、製造方法・栄養・味わいなど比較しながら詳しくご紹介します。
相性のよい料理やワインをより楽しむための食材の組み合わせ方についてもピックアップしました。赤と白のワインの違いを知りたい方、知識を深めたい方はぜひご参考ください。
赤ワインと白ワインの製造方法の違い

赤ワインと白ワインの大きな違いは製造方法です。まずはブドウの品種、醸造方法、度数などそれぞれの違いについてご紹介します。
ブドウの品種が異なる
赤ワインの色が赤いのは、原料となるブドウの果皮にアントシアニンを多く含む品種を使っているからです。ブドウの果皮の色は黒や赤紫や黄緑が代表的ですが、アントシアニンが多いほど黒色に近づいていきます。
対して、白ワインは果皮にアントシアニンをあまり含まない白ブドウがメインの原料です。黒ブドウを使うこともありますが、その際は果皮や種を含めず果汁のみを発酵させることでクリアな白ワインに仕上がります。
| 代表的なブドウの品種一覧 | |
| 赤ワイン | ・カベルネ・ソーヴィニヨン (フランスのボルドー地方を始め、世界で広く栽培される赤ワイン用ブドウの王道品種。深みのあるタンニンとリッチな果実味が特徴。) ・メルロー (フランス原産の品種。柔らかな口当たりで飲みやすい。) ・ピノ・ノワール (フランスのブルゴーニュ地方の代表品種。繊細な味わいが魅力。) ・マスカット・ベーリーA (日本固有種。日本の気候に合わせて開発された赤ワイン用品種。渋みと酸味が控えめで飲みやすい。) |
| 白ワイン | ・ソーヴィニヨン・ブラン (白ワインの代表品種。産地はフランスのボルドーやロワール地方。フレッシュで爽やかな味わい。) ・シャルドネ (白ワインの女王と称されるフランス・ブルゴーニュ地方原産の品種。多彩な香りとみずみずしさあふれる果実味が特徴。) ・リースリング (ドイツ原産の高品質な白ワイン用品種。豊かな酸味のある華やかな味わい。) ・甲州 (日本固有種。和柑橘のような香りと爽やかな味わいで和食に合う。) |
醸造は果皮を使うかどうか
ワインの醸造とは、収穫したブドウをアルコール発酵させる製造工程のことです。原料となるブドウを収穫・選果した後は、茎を取り除き、それぞれの醸造の流れをたどります。
| 醸造方法の違い | |
| 赤ワイン | 白ワイン |
| ①破砕 ②発酵、醸し(マセレーション) (20~30℃の低温で発酵。) ③圧搾 ④マロラクティック発酵(酸味を調整する工程) ⑤熟成 | ①破砕 ②圧搾、清澄化 ③発酵 (15~20℃の低温で発酵。一部の白ワインでは、マロラクティック発酵も行う。) ④熟成 |
赤ワインと白ワインの醸造方法の大きな違いは、果皮や種を発酵に使うかどうかです。赤ワインは主発酵のあとに果皮や種を取り除く圧搾を行います。
対して、白ワインは主発酵の前に圧搾し果汁のみを使うため、果皮や種を使うことがありません。また、発酵の温度に差があるのは、赤ワインの場合は果皮から渋みやコク、色などをしっかり抽出するためです。
白ワインでは香りやフレッシュな味わいを保つために低温で発酵します。赤ワインと白ワインともに、それぞれ熟成を終えた後は、澱引きや濾過の工程に進んだ後、瓶詰めされ商品として仕上がります。
度数に差が出る理由
赤ワインの度数は12~15%、白ワインは5%~14%ほどが目安です。赤ワインの度数が白ワインより比較的高めになっています。
度数に差が出る理由は、原料となるブドウの品種や糖度、発酵方法の違いが影響するからです。ワインのアルコール発酵はブドウの糖分を酵母の働きによって分解し、アルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)を生成するシステムです。
赤ワインと白ワインにおける一般的な発酵の違いは、次の表をご覧ください。
| 発酵の違い | |
| 赤ワイン | ブドウの糖分がなくなるまで発酵を続けることがほとんどのため、アルコール度数は高めになりやすい。糖分(甘さ)がほぼ残らないため辛口になる。 |
| 白ワイン | 発酵を途中で止めて糖分を残し甘めですっきりとした味わいに仕上げることが多いため、アルコール度数は赤ワインよりやや低めになる。 |
ただし、必ずしも上の表のようになるわけではなく、「度数の低い甘口の赤ワイン」「度数の高い辛口の白ワイン」もあるなど、商品によって度数にはさまざまなパターンがあります。
赤ワインと白ワインの栄養の違い

赤ワインと白ワインには、それぞれに魅力的な栄養が含まれており、異なる健康への効果が期待できます。
赤ワインはポリフェノールが豊富
赤ワインに使われる黒ブドウ品種には、レスベラトロールやアントシアニンなどのポリフェノール類が多く含まれています。このポリフェノールの働きは、動脈硬化の予防やアンチエイジング効果をもたらしてくれます。
- 活性酸素消去による抗酸化作用
- レスベラトロールによる神経細胞の保護
- 悪玉コレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化になるリスクを防ぐ
参考資料:厚生労働省「Wine and Health」
白ワインの有機酸は腸内環境を整える
白ワインに豊富に含まれているのは、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類、クエン酸やアミノ酸などの有機酸です。
有機酸は、原料となるブドウ品種に含まれているものと製造の過程で発生するものの両方があります。また、赤ワインよりは少ないものの、良質なポリフェノールも含まれています。
- 有機酸やアルコールなどによる抗菌作用
- 酒石酸、リンゴ酸などによる善玉菌の増加
- カリウムによる利尿作用
参考資料:厚生労働省「Wine and Health」
赤ワインと白ワインの味わいの違い

味わいも赤ワインと白ワインで違いがあります。赤ワインは渋みとコク、白ワインは酸味と爽やかさが味わいの特徴です。
赤ワインは渋みやコクが楽しめる
赤ワインは、ブドウの果皮や種を一緒に発酵させることで渋みが生まれます。渋みは、果皮や種に含まれるタンニンによるものです。渋みの魅力は、口の中で引き締まるような味わいを楽しめることです。
また、赤ワインは味わい深いコクを感じられることも特徴です。コクはタンニンによる渋み、マロラクティック発酵によって酸味が抑えられること、熟成で樽の風味が加えられることなど、複数の工程が重なることで生まれます。
このコクを赤ワインではボディという段階で区別しており、フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディの3段階で表示しています。
白ワインは爽やかさや酸味が際立つ
白ワインは、赤ワインのように果皮や種を一緒に漬け込むことなく、果汁のみを発酵させます。そのため、渋みがほとんどなく、爽やかさや酸味が際立つすっきりとした味わいになることが特徴です。
また、白ワインは果実のフルーティーな味わいをダイレクトに楽しめることも魅力です。白ワインは、15~20℃前後の低い温度でじっくりと発酵させるため、果実の香りをワインの中にしっかりと閉じ込めることができます。
白ワインの味わいは甘口・辛口での区別が多くありますが、赤ワインのようにフルボディやライトボディなど表示されていることもあります。
新酒やヌーボーは飲みやすさが魅力
赤ワイン、白ワインともに、その年の収穫を祝う新酒やヌーボーになるとよりフレッシュな味わいを堪能できます。一般的な赤白ワインと比較した新酒・ヌーボーの味わいが違う理由は、熟成期間がほぼないということです。
一般的な赤白ワインが数か月から数年かけて熟成されるのに対し、新酒やヌーボーはその年に収穫したブドウをわずか数週間ほどでワインに仕上げて出荷します。
また、新酒・ヌーボーの時期はブドウの収穫時期が異なる北半球と南半球でふたつのシーズンに分かれます。
| 地域 | 発売・楽しめる時期 | 特徴 |
| 北半球 (日本、フランスなど) | 9月下旬~11月 | 大々的に盛り上がる新酒のメインシーズン。発売日(解禁日)は各地で異なる。秋冬の味覚に合うワインが発売される。 |
| 南半球 (オーストラリア、チリなど) | 5月~7月頃 | 南半球では新酒を楽しむ文化はあまりない。日本ではサマーヌーボーとして、”暑い夏に合うすっきりとした白ワイン”を中心に流通する。 |
日本では、年に2回も新酒を楽しめる貴重な機会があります。一般的なワインより飲みやすいワインがお好みの方、フレッシュな味わいのワインが気に入っている方は、新酒(ヌーボー)を試してみてはどうでしょうか。
赤ワインと白ワインに合う料理とは?

赤ワインに合う料理はしっかりとした味付けの料理、白ワインに合う料理は魚介を使った料理などがおすすめです。
赤ワインと相性の良い料理
- ビーフステーキ
- ハンバーグ
- ローストビーフ
- ロールキャベツ
- ビーフシチュー
- カツオのたたき
- マグロの刺身
牛肉や豚肉を使った料理では、赤ワインの渋みであるタンニンが脂っぽさをすっきりとさせることで、肉本来の旨味を引き立てます。
トマトやチーズなどを使った濃厚なメニューとも相性がよいでしょう。トマトは赤ワインの風味と調和し、チーズのまろやかなコクともよく合います。また、鉄分を多く含む赤身の魚はお肉の風味に近いため、赤ワインとの相性が抜群です。
白ワインと相性のよい料理
コクのある白ワインならクリーム煮やグラタンなどホワイトソースを使ったメニューとの相性がよいでしょう。
- シーフードグラタン
- 鶏肉のクリーム煮
- グリーンサラダ
- バーニャカウダ
- アクアパッツァ
- サンマの塩焼き
- ボンゴレやペペロンチーノなどのパスタ
白ワインの爽やかな酸味とフルーティーな香りは、生野菜の食感や美味しさを引き立ててくれます。また、白ワインの持つ酸味が魚介の生臭さを打ち消すとともに、パスタのオイリーな後味をすっきりさせてくれます。
肉=赤、魚=白は単純には決められない
ワインの色だけで相性のよい料理はこれとひと括りにはできない部分もあります。ひとつは、ワインの種類や味わいによって相性が変化するからです。お肉料理といっても軽めの味付けなら、赤ワインではなくコクのある白ワインが合う場合もあります。
調味料や香辛料による影響もそうです。白身魚でも和食で濃いしょうゆや味噌を使っていれば、ライトボディの赤ワインが合うこともあるでしょう。もちろん、個人の好みや味覚の違いも関係してきます。
ワインをもっと楽しむなら食材との組み合わせに注目

異なる個性を持ち、それぞれが魅力的な赤ワインと白ワイン。ワインをもっと楽しむなら、食材との組み合わせにも注目してみましょう。
同じ産地の特産品と合わせる
ワインと食材との組み合わせに注目する際は、テロワールという考え方もあります。テロワールとは、土地の気候や土壌など、その地域ならでは環境が農作物の風味に与える影響を指す言葉です。
同じ土地で育ったブドウから作られたワインと、その地域で親しまれてきた食材は風土を共有しているため、相性がよいと考えられています。
国内旅行をする際、ホテルや旅館でその土地の特産品を使った料理と地酒が食事で提供されるケースが多いと思いますが、これがテロワールと同じような例になります。
高級食材を知ると楽しみ方が広がる
高めの価格のワインを飲む日は、高級な食材を選んでみるのも組み合わせ方のひとつです。ワインと食材の格を合わせると、どちらか一方が口の中で負けてアンバランスになってしまうことがありません。
赤ワインや白ワインに合う代表的な高級食材の種類には、次のようなものがあります。
- 世界三大珍味(トリュフ、フォアグラ、キャビア)
- ブランド和牛(松阪牛、神戸牛)
- 高級シーフード(伊勢海老、ウニ、アワビ)
格が合うとワインと食材が調和しやすく、美味しさが劇的に向上します。味わいが揃うと心理的な満足感も高まるため、より充実した食事の時間となるはずです。
プロから学べばワインと組み合わせへの理解が深まる
もっとワインと食材の組み合わせへの知識を深めたいという方には、ワインや食材のプロから学びを得ると「食の可能性」が広がります。
日々の食卓の充実に役立つことはもちろん、飲食関係のお仕事の方ならメニュー考案やペアリング提案にも活かせるでしょう。
とくに、おすすめするのが高級食材であるキャビアへの知識を深めることです。一般社団法人日本キャビアソムリエ協会(JCSA)認定の民間資格”キャビアソムリエ”を取得すると、飲食業界に関わる様々な仕事に活かすことができます。
赤ワインと白ワインの違いを知ってワインをもっと楽しもう!

ワインの知識を深めると、これまで何となく合わせていた食材や料理も、「どうやって合わせようか」と考える楽しみが生まれます。キャビアに興味がある方、飲食関係の仕事でキャリアアップしていきたい方は、キャビアソムリエ講座もぜひ検討してみてください。
赤ワインと白ワインの違いを知り、食材の組み合わせの選択肢が増えることで、食事の楽しみ方もさらに広がっていくでしょう。







一般社団法人日本キャビアソムリエ協会 代表理事
株式会社幸コーポレーション 代表取締役/フレンチ「フィレール」オーナーシェフ
世界12カ国(フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ポーランド、ラトビア、ブルガリア、イラン、マダガスカル、ウルグアイ、シンガポール、中国)と日本1道15県、100種類以上のキャビアを食べ比べてきた。
産地を自ら訪ね、国内の生産者との交流を重ねるなかで、キャビアが「高級な珍味」としか語られておらず、味の違いやその背景がほとんど知られていない現状に向き合う。各地で「キャビアフィッシュ解体ショー」を開催し、素材そのものからキャビアを伝える活動を続けている。
大阪・お初天神のフレンチ「フィレール」では、オーナーシェフとして日々キャビアを扱う現場に立つ。
信念は、「キャビアは、知るほどおいしい」
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