ブルゴーニュワインは、フランスを代表するワインの一つとして、世界中の愛好家から親しまれています。産地や格付け、ブドウ品種や造り手によって味わいが異なるため、選ぶ際に迷う方も少なくありません。
本記事では、ブルゴーニュワインの基礎知識やボルドーワインとの違い、当たり年、選び方、料理とのペアリングなどを分かりやすく解説します。
ブルゴーニュとは?

ブルゴーニュとは、フランスを代表するワイン産地の一つです。地域や畑ごとに異なる特徴を持つワインが造られています。ここでは、ブルゴーニュワインの主な産地と、その個性を形づくりテロワールやクリマについて解説します。
- 地図で見るブルゴーニュワインの主な産地
- 畑ごとの個性を表すテロワールとクリマ
参照元:ブルゴーニュワインの特徴
地図で見るブルゴーニュワインの主な産地
地図参照:ブルゴーニュワイン地図
ブルゴーニュワインの主な産地は、フランス東部のブルゴーニュ地方に、南北へ細長く点在しています。北からシャブリ、コート・ド・ニュイ、コート・ド・ボーヌ、コート・シャロネーズ、マコネ、ボジョレーの6地区に分かれており、それぞれ気候や土壌、主要なブドウ品種に違いがあります。
シャブリはシャルドネから造られる辛口白ワイン、コート・ド・ニュイはピノ・ノワールを主体とした赤ワイン、ボジョレーはガメイを使ったフルーティーな赤ワインで知られるなど、産地ごとに異なる個性を楽しむことができます。
畑ごとの個性を表すテロワールとクリマ
ブルゴーニュワインを理解するうえで欠かせないのが、テロワールとクリマという考え方です。テロワールとは、土壌や気候、地形など、ブドウの生育に影響する自然環境を指します。一方、クリマは土壌や日当たり、斜面の向きなどの違いをもとに、長い歴史の中で細かく区分されてきたブドウ畑の区画を指します。こうした環境の違いがワインの味わいや香りに個性をもたらす点も、ブルゴーニュならではの魅力といえるでしょう。
ブルゴーニュワインに使われる主なブドウ品種

ブルゴーニュワインには、赤・白それぞれに代表的なブドウ品種があります。ここでは、赤ワインと白ワインに使われる主な品種と、その特徴を紹介します。
- 赤ワインの品種
- 白ワインの品種
参照元:ブルゴーニュワインとは?特徴やソムリエおすすめのワイン6本をご紹介
赤ワインの品種
ブルゴーニュの赤ワインに使われる代表的なブドウ品種は、ピノ・ノワールとガメイです。ピノ・ノワールは、繊細な酸味と上品な果実味が特徴で、コート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌを中心に育てられています。ガメイは主に南部のボジョレー地区で栽培されており、ボジョレー・ヌーヴォーの原料としても知られる品種です。
白ワインの品種
ブルゴーニュの白ワインを代表するブドウ品種は、シャルドネです。シャブリではキレのある酸味が特徴のワインが多い一方、コート・ド・ボーヌやマコネではふくよかで豊かな味わいのワインも造られています。また、爽やかな酸味とすっきりとした味わいが特徴のアリゴテも、白ワインに使われる代表的な品種の一つです。
ブルゴーニュワインの格付け
ブルゴーニュワインの格付けは、4つのクラスに分けられています。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説します。
- グラン・クリュ
- プルミエ・クリュ
- ヴィラージュ
- レジオナル
参照元:ブルゴーニュワインの格付け
グラン・クリュ
グラン・クリュは、ブルゴーニュワインの格付けの中で最上位に位置する特級畑です。生産者ではなく、優れた条件を備えた畑そのものが格付けの対象となります。ラベルには、村名ではなく畑名が大きく記載される点が特徴です。また、一つの畑を複数の生産者が所有しているケースも多く、同じグラン・クリュでも造り手によって味わいや価格に違いが生まれます。
プルミエ・クリュ
プルミエ・クリュは、ブルゴーニュワインの格付けでグラン・クリュに次ぐ1級畑です。ブルゴーニュ全体の約10%を占め、土壌や気候など、村や畑ごとの特徴を感じられるワインが多く造られています。ラベルには村名と畑名が記載され、「村名+プルミエ・クリュ」や「村名+1er クリュ」と表記されるのが一般的です。畑や造り手によって味わいに違いがあり、多彩な個性を楽しめる点も魅力といえます。
ヴィラージュ
ヴィラージュは、4段階ある格付けのうち、上から3番目に位置するクラスです。特定の村で収穫されたブドウを使って造られ、ラベルには「ジュヴレ・シャンベルタン」や「ヴォーヌ・ロマネ」などの村名が表示されます。村ごとの土壌や気候などの特徴がワインに反映されており、その土地ならではの香りや味わいを楽しむことができます。
レジオナル
レジオナルは、最も広い範囲を対象とする基本的なクラスです。ブルゴーニュ全域で収穫されたブドウを使って造られ、生産量が多いことでも知られています。比較的手に取りやすい価格帯のものが多く、フレッシュで気取りのない味わいが特徴です。普段の食事にも合わせやすいため、気軽に楽しめるブルゴーニュワインとして親しまれています。
ブルゴーニュに高級ワインが多い理由

ブルゴーニュに高級ワインが多い理由の一つは、生産量が限られていることです。ブドウ畑の面積が比較的小さく、特にグラン・クリュなどの優れた畑から造られるワインは生産量が少ないため、希少価値が高くなりやすい傾向があります。
また、ブルゴーニュでは畑が細かく区分され、それぞれの土壌や気候を生かしたワイン造りが長く受け継がれてきました。赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネを中心に、その土地ならではの個性を引き出すことが重視されています。
限られた生産量に加え、畑ごとの個性を大切にする文化や長い歴史も、ブルゴーニュに高級ワインが多い理由といえるでしょう。
参照元:【ワインの教養】ボルドーとブルゴーニュ、高いのはどっち?
ブルゴーニュとボルドーの違い
ブルゴーニュとボルドーには、ブドウ品種や造り方、ボトルの形状、選び方などにさまざまな違いがあります。ここでは、両者の主な違いを見ていきましょう。
- 使用するブドウ品種と味わい
- ワインの造り方
- ボトルの形状
- 選び方と価格帯
参照元:ブルゴーニュワインとボルドーワイン——その「特徴」と「違い」とは?
使用するブドウ品種と味わい
ブルゴーニュでは、赤ワインにピノ・ノワール、白ワインにシャルドネを使うのが基本です。赤は繊細な酸味と華やかな果実味、白は豊かな酸味やミネラル感を楽しめます。
一方、ボルドーでは、赤ワインにカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、白ワインにソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどを使い、複数の品種をブレンドするのが一般的です。赤はしっかりとした渋みと厚みのある味わい、白は爽やかな酸味を生かした辛口に仕上がる傾向があります。
ワインの造り方
ワインの造り方にも、ブルゴーニュとボルドーで違いがあります。ブルゴーニュでは、畑や区画ごとの持ち味を生かすため、それぞれのブドウを分けて醸造する方法が取られています。これに対してボルドーでは、品種や区画ごとに醸造したワインを組み合わせるアッサンブラージュという手法が用いられます。
ボトルの形状
ボトルの形状も、ブルゴーニュとボルドーを見分けるポイントの一つです。ブルゴーニュ型は、肩から胴にかけて緩やかな曲線を描く「なで肩」が特徴です。一方、ボルドー型は、長期熟成によって生じた澱がグラスに混ざるのを防ぐために、肩が張った「いかり肩」の形をしています。
選び方と価格帯
ブルゴーニュとボルドーでは、ワインを選ぶ際に重視するポイントや価格帯にも違いがあります。ブルゴーニュでは、畑の格付けや村名、造り手などが主な判断材料となります。他方、ボルドーでは、シャトー名や格付けを参考に選ぶ方法が一般的です。
価格はブルゴーニュのほうが高めの傾向があり、特に希少な銘柄は高値で取引されることもあります。一方、ボルドーは手頃なものから高級品まで選択肢が豊富で、予算に応じて選びやすい点が特徴といえます。
ブルゴーニュワインの当たり年とは?
ブルゴーニュワインの当たり年とはブドウの生育期間を通して天候に恵まれ、品質の高いブドウが収穫できた年のことです。グレートヴィンテージとも呼ばれています。日照量や気温、降水量などの条件が整うことで、果実味と酸味が理想的なバランスで調和した、高品質のワインが仕上がりやすくなります。
近年では、2015年、2019年、2020年、2022年などが高く評価されるヴィンテージとして知られています。ただし、同じ年でも産地や品種、赤・白によって評価が異なる場合があるため、産地や造り手の特徴も確認しながら選ぶことが大切です。
参照元:ブルゴーニュワイン当たり年ガイド
ブルゴーニュワインの選び方

ブルゴーニュワインを選ぶときは、色や味わいの好みだけでなく、格付けや造り手にも注目すると、自分に合った一本を見つけやすくなります。ここでは、ワイン選びの際に押さえておきたいポイントを紹介します。
- 赤と白の好みで決める
- 4段階の格付けを目安にする
- 造り手ごとの個性に注目する
参照元:ブルゴーニュとは?特徴や主な地域、選び方や保管のポイント
赤と白の好みで決める
ブルゴーニュワインを選ぶ際は、赤と白のどちらを飲みたいかを決めると、自分に合ったものを選びやすくなります。赤ワインはピノ・ノワールを中心に、繊細な酸味とベリー系の華やかな香りを楽しめます。一方、白ワインはシャルドネが中心で、爽やかな酸味や柑橘系の香りを感じることができます。
気分や好みに加えて、赤は肉料理、白は魚介料理など、合わせる食事の種類から選ぶのもおすすめの方法です。
4段階の格付けを目安にする
ラベルに記載された格付けを目安にするのも、ブルゴーニュワインを選ぶ方法の一つです。特別な日の一本を探すならグラン・クリュやプルミエ・クリュなどの上位クラス、普段の食事と気軽に楽しみたい場合はヴィラージュやレジオナルなど、予算やシーンに合わせて選ぶとよいでしょう。
造り手ごとの個性に注目する
ブルゴーニュワインは、同じ畑のブドウを使っていても、造り手の考え方や醸造方法によって仕上がりが異なります。農法や全房発酵の有無、新樽の使用比率、熟成期間などが、香りや味わい、タンニンの質感に影響するためです。
また、自社畑で栽培から醸造まで手がけるドメーヌや、ブドウを買い付けて造るネゴシアンなど、生産スタイルにも違いがあります。好みの造り手に注目して選ぶのも、ブルゴーニュワインの楽しみ方の一つです。
ブルゴーニュ型グラスの特徴
ブルゴーニュ型グラスは、横に大きく膨らんだ丸いボウルと、すぼまった飲み口が特徴のグラスです。ボウルが大きいためワインが空気に触れる面積が広がり、繊細で複雑な香りを引き出せるとされています。
また、飲み口が狭くなっていることで、広がった香りがグラス内に集まりやすい点も特徴です。酸味と果実味のバランスが引き立ち、ブルゴーニュの赤ワインをはじめ、香りが豊かで渋みが穏やかなワインとの相性に優れています。
参照元:ブルゴーニュグラスはなぜ横に大きい?味わいの違いとグラスの選び方
ブルゴーニュワインと料理のペアリング

ブルゴーニュワインは、赤と白で味わいや香りの特徴が異なるため、相性のよい料理にも違いがあります。ワインの持ち味をより深く楽しむためにも、それぞれに適した料理を選ぶことが大切です。
- 赤ワインは肉料理やきのこ料理と相性がよい
- 白ワインには魚介料理やキャビアがおすすめ
赤ワインは肉料理やきのこ料理と相性がよい
ブルゴーニュの赤ワインは、上品な酸味と穏やかなタンニンを持ち、肉料理やきのこ料理と好相性です。たとえば、鴨のローストやローストポーク、牛赤身肉のステーキなどによく合います。また、ソテーしたきのこ類とも相性がよく、豊かな風味がワインの繊細な香りや味わいと調和します。さらに、鶏の照り焼きなど、しっかりした味つけの和食と合わせるのもおすすめです。
参照元:ステーキにはやっぱり赤ワイン!どうして牛肉と赤ワインは相性がいいの?
白ワインには魚介料理やキャビアがおすすめ
ブルゴーニュの白ワインは、爽やかな飲み口とミネラル感があり、魚介料理との相性に優れています。ホタテのソテーや白身魚のグリル、カキなどと合わせると、魚介の旨味とワインの風味が心地よく融合します。キャビアやスモークサーモンとも好相性で、ほどよい塩味がワインの繊細な味わいを引き立てます。さらに、タイやヒラメなど白身魚の刺身とのペアリングも人気です。
参照元:白ワインに合う料理5選!ペアリングで失敗しない選び方を解説
キャビアとワインの組み合わせを学べるキャビアソムリエ資格
キャビアソムリエ資格は、一般社団法人日本キャビアソムリエ協会(JCSA)が認定する民間資格です。キャビアソムリエ呼称資格認定コースでは、キャビアにまつわる幅広い知識や食材とのペアリングについて学ぶことができます。
講座は会場受講とオンライン受講から選択でき、自分に合った方法でキャビアの専門知識を身につけられる点が特徴といえます。
ブルゴーニュワインの特徴を知り自分好みの一本を見つけよう
ブルゴーニュワインは、ピノ・ノワールやシャルドネなど同じブドウ品種を使っていても、産地や畑、造り手によって香りや味わいが大きく変わる奥深いワインです。格付けやヴィンテージ、料理との相性などに目を向けることで、予算や好みに合ったものを絞り込みやすくなります。それぞれの特徴を比較しながら、自分にぴったりの一本を見つけてみてください。












一般社団法人日本キャビアソムリエ協会 代表理事
株式会社幸コーポレーション 代表取締役/フレンチ「フィレール」オーナーシェフ
世界12カ国(フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ポーランド、ラトビア、ブルガリア、イラン、マダガスカル、ウルグアイ、シンガポール、中国)と日本1道15県、100種類以上のキャビアを食べ比べてきた。
産地を自ら訪ね、国内の生産者との交流を重ねるなかで、キャビアが「高級な珍味」としか語られておらず、味の違いやその背景がほとんど知られていない現状に向き合う。各地で「キャビアフィッシュ解体ショー」を開催し、素材そのものからキャビアを伝える活動を続けている。
大阪・お初天神のフレンチ「フィレール」では、オーナーシェフとして日々キャビアを扱う現場に立つ。
信念は、「キャビアは、知るほどおいしい」
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