【愛知のてっぺんで受け継がれる命】

【愛知県豊根村で見た、チョウザメ受精の瞬間】

愛知県の最北端、標高の高い山々に囲まれた“愛知のてっぺん”とも呼ばれる豊根村。
清らかな水と豊かな自然に恵まれたこの地で、今、日本の新たな地域産業として注目されているのがチョウザメ養殖です。豊根村は愛知県で一番人口の少ない小さな自治体でもあります。
今回、一般社団法人日本キャビアソムリエ代表理事の出口が再訪問し、普段なかなか見ることのできない「チョウザメの受精」の現場を見学させていただきました。

■ 命が育まれるまで

静かな養殖場の一角。
生産者の方々が慎重にチョウザメから卵を取り出し、一粒一粒を丁寧に扱う姿がありました。
キャビアとして口にする時には完成された姿しか見ることはありませんが、その背景には、このような地道で繊細な作業があります。
チョウザメは、卵を持つまでに約10年という長い年月が必要になります。
さらに、受精・孵化・育成の各工程には高度な技術と経験が求められ、水温や水質のわずかな変化も大きな影響を与えます。
今回実際に受精の工程を見せていただき、改めて感じたのは、

「キャビアは、ただの高級食材ではない」

ということでした。

そこには、生産者の想い、技術、覚悟、そして命への向き合い方があります。

■ 豊根村だからこその強み

豊根村の強みは、何よりも“水”です。

山々から流れる清流は透明度が高く、水温も安定しており、チョウザメ養殖に適した環境が整っています。
さらに印象的だったのは、生産者・役場・地域住民が一体となってチョウザメ事業を支えていることでした。
キャビアだけではなく、豊根村の道の駅ではチョウザメの身肉を活用した料理が展開されており、地域資源として価値を高める取り組みが進められています。
今回いただいたのはチョウザメ重。そのほか、チョウザメ御膳やチョウザメカツ重があります。

“世界三大珍味”であるキャビアを、山間の小さな村から発信していく。
その挑戦は、単なる養殖事業ではなく、地方創生そのものだと感じました。

■ キャビアの価値は「背景」に宿る

実際に受精の現場を見ることで、キャビア一粒の見え方が大きく変わりました。

なぜ高価なのか。

なぜ希少なのか。

それは単にブランドや流通の問題ではなく、「育つまでに必要な時間と手間」に理由があります。
長い歳月をかけ、豊かな水で育ち、ようやく採卵に辿り着く。その積み重ねが、キャビアという食材の価値を形作っています。

■ 日本キャビアの未来へ

近年、日本各地でチョウザメ養殖が広がり、国産キャビアは世界的にも高く評価されるようになってきました。
その中でも豊根村のように、地域全体で取り組む事例は非常に大きな可能性を感じます。
キャビアは単なる贅沢品ではなく、地域文化や産業を支える存在へと変わり始めています。
日本キャビアソムリエ協会としても、こうした産地の想いや背景を伝えながら、日本キャビア文化の発展に貢献していきたいと思います。
*画像は羽鳥慎一モーニングショーで紹介された豊根村の取り組みに対するコメントです

急な訪問にもかかわらず暖かく受け入れていただきました、

トヨネフィッシュファーマーズ代表熊谷様
豊根村役場産業課農林商工係塚本様

ありがとうございました。